トイレ掃除のとき、尿の量もチェック

食事と同様、生活の中で比較的わかりやすい指針の1つに、トイレの頻度がある。

(上)クウ(中)ムーン(下)みんみ

「尿の量が著しく多くなる代表的な病気が3つあります。1つはすでに挙げた糖尿病。そして腎臓病と甲状腺機能亢進(こうしん)症です。目安として、尿が通常の1.5倍ほど増えたら健康状態を疑いましょう」

甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患で、やはり命に関わる重大な病気。早期発見が大切だ。その意味では、近年よく使われているシステムトイレは、手入れの手間が省けて便利である半面、尿の量の変化がわかりにくい。一層の注意が必要だろう。

早期の避妊手術で、乳がんを防ぐ

仕事を終えて帰宅し、出迎える猫を抱き上げてなでてやるのは、飼い主にとって至福のひととき。この際にも、気を配ってやりたいことがある。それはしこりの有無だ。

「もし、体のどこかにしこりがあったら、がんである可能性もゼロではありません。とくにメス猫の場合は乳がんが多いので、おなかにしこりを見つけた場合は早めに検査を受けてください。乳がんは早期に避妊手術を行うことで発生率を抑えられる病気ですが、1歳以降は避妊をしてもしなくても変わらないというデータがあります」

これに対し、頭から首筋にかけてのしこりは、「肥満細胞腫」という腫瘍であるケースが多いという。この腫瘍は転移することはまれだが、放置していいわけではなく、念のため診察を受けるに越したことはない。