自分では全くコントロールできない

摂食障害といっても、いろんなタイプがあるのをご存じですか?

拒食嘔吐(おうと)、過食嘔吐、吐かない過食、チューイング(噛み吐き)など。決してダイエットではありません。私の場合、あるとき突然パチンとスイッチが入り、無性にコンビニに行きたくなり、食べ物のことしか考えられなくなる。気づいたらテーブルの上には大量のお菓子の袋が散らばっていて、それから嘔吐……。自分では全くコントロールできないこんな恐ろしい行動は、実母が私に教えたのです。

18歳で私を産んだ母は、ストレスがたまると、幼い私にひどい虐待を与えました。それでも私は彼女の愛情が欲しくて、褒めてほしくてしようがなかった。児童劇団に入ってからは、オーディションに受かって役をもらえることが、その最善の道だと考えるようになりました。でも、年頃になると体重が増えて丸みが出てくる体がはずかしくて、これでは役がもらえないのではないかと悩みました。

吐けばいいのよと、母が私にささやいた

そんなとき、母が私にこう言ったのです。「食べたあと、自分で吐いちゃえばいいのよ」と。しかも喉に指をつっこむアクションつきで。

「彼や友達にデブと言われた」などのきっかけがあるにしろ、この病はほとんどが親から受けた過干渉、虐待、ネグレクト等が原因とされています。完治は難しいけれど、母との関係を断ち切ることで、私は随分楽になれたし、今はたまに症状が出るくらい。精神科に通い薬漬けになったこともありますが、現在は私のことを理解してくれる内科医の先生に適切な処置をしていただいています。