「私は食べるのを忘れていただけだから」

対人恐怖症に苦しんだ学生時代。自分を変えたいと志したのが客室乗務員(CA)だ。航空会社へ入社し、フライト業務に就くと仕事は性に合っていた。「毎日お客様と接するのが楽しくて、私は人が好きなんだということを実感しました」と佐々木優美子さん(仮名)。

飛行機
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だが、同僚との人間関係になじめず、初めての1人暮らしでストレスもつのる。不規則な勤務で食事を機内食のお弁当で済ませ、生活費を切り詰めて後回しにしたり。体重は25kgまで落ちた。翌年秋の定期訓練では体力テストでスクワットや腹筋もできず、不合格に。産業医に「摂食障害」と診断され、停職になった。

「私は食べるのを忘れていただけだから体重が戻れば大丈夫と。38kgになれば復職できると言われ、それを信じて食べ続けたのですが……」

実家へ戻ったが、それからはどん底の日々だった。摂食障害からパニック障害を併発し、食べようとするとひどい発作で暴れてしまう。母親はうつ病になり、妹も家を出るなど家庭は崩壊寸前に。自分も自殺未遂を繰り返すほど追い込まれた。