ランチで相手のファクトファインディングをする

仕事上の注意を促すよりも、相手の気持ちを知ろうとしましょう。頭の中でモヤモヤと考えているだけでは、何も解決しません。彼は何がしたくてこの会社に入ったのか。どういう部署を経験してきたのか。法務部に来たのは自らの意思だったのか。相手の中にある事実を掘りおこす“ファクトファインディング”をしないと、対応策は出てきません。

ただ、女性の上司に対して構えてしまう男性も中にはいます。知識が曖昧なまま仕事を進めてしまうのは、弱みを見せたくないと思っているせいかもしれない。この状態は、お互いにとって不幸だし、会社にとっても大きな損失です。

今度、その部下を食事にでも誘ってみたらどうですか。夜に誘うとあらぬ誤解を招くかもしれないから、ランチがいいですね(笑)。クレディセゾンでは、さまざまな社員アンケートを定期的に行っていますが、「あなたが幸福を感じるときは?」という質問に、70%以上の人が「おいしいものを食べているとき」と答えました。おいしい食事は人の心をなごませます。食べながら雑談をして、笑い合う時間ができれば部下の本当の適性や希望といった相手のファクトが見えてくるはず。対応策を考えるのはそこからですよ。

構成=中津川詔子 撮影=遠藤素子