各自が読んだ本を持ち寄り「回し読み」する
また、ビジネスにおける美意識の大切さを説いた本が選ばれているのも印象的。現在、同社では社員一人ひとりの感受性と美意識を高める取り組みを進めていて、鈴木郷史社長の推奨本にもなっているのだとか。
「読んだ本を持ち寄る取り組みは、社長の発案で始まったものなんです。お客さまの心を揺さぶるサービスを目指すなら、社員にも心を揺さぶられる体験が必要で、それには読書が役立つはずだと。もともと大変な読書家なので、社長自身も本を持参して出席しています」
本は教養を深め、視野を広げ、感受性を高めてくれるもの。しかし、研修で本を持ち寄ることのメリットはそれだけにとどまらない。各自が持ち寄った本はメンバー間でシェアするため、互いが読んだ本の「実物」に触れることができる。先に読んだ人が付せんを貼っていれば、その人がどこに心を揺さぶられたのかがよくわかるのだ。
「そこが面白くもあり恥ずかしくもあり(笑)。でも、付せんを通して人のモノの見方を吸収できるので、メンバーにとっては新しい視点の獲得や自己発見の助けになっているようです」
同じ本を読んでも、そこから得る気づきは皆同じとは限らない。本だけでなく気づきまでシェアするこの取り組みは、社員の成長を大きく後押ししてくれそうだ。