「病気告知」専門家4人の本音トーク
【鬼塚】病気で休んで有休を使い切っても、会社員の場合は健康保険で標準報酬日額の3分の2を受け取ることができる休業補償給付制度があるので、収入面は多少安心です。
【林】そうですよね。この休業補償給付には税金がかかりませんし。
ほかに会社員の方が意外とされていないのが、医療費控除です。年間でかかった医療費から保険金を引いた金額が、10万円以上だと医療費控除が受けられます。もしくは収入が少なかった場合、所得の5%を超えると医療費控除が受けられます。病院をはじめ、かかった費用はすべて領収書をとっておきましょう。
【鬼塚】薬局で買った薬代とか、病院までの交通費も医療費控除に入れられますよね。
【林】病気が見つかって治療したときの健康診断代やレーシックも医療費控除の対象になります。歯は容貌を美化するためのものはできませんが、矯正は対象です。
医療費控除に金額が届かなくても、定期健康診断などを受けている人が、薬局でセルフメディケーション税制対象医薬品を年間1万2000円以上購入すれば、確定申告の際、所得控除が受けられます。
弁護士、税理士、社会保険労務士、FP、金融関係者、医師、不動産関係者、介護福祉関係者、不用品回収業者、印刷業者など、それぞれに活躍する実務経験豊富な各分野の専門家で構成。契約企業に出向き、介護・事業承継・相続問題のほか、夫婦・家族の問題などに悩む社員の個別相談にワンストップ・ワンテーブルで対応。セミナー研修などを行っている。
鬼塚眞子
一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表理事・FP。大手雑誌社勤務後、出産のために退職・専業主婦に。その後大手生命保険会社の営業職として社会復帰。業界紙記者を経て、保険ジャーナリスト、FPとして独立。認知症の両親の遠距離介護を機に、同協会を設立した。
丸尾はるな
弁護士。弁護士登録7年目で独立し、「丸尾総合法律事務所」開設。弁護士歴約10年でありながら、個人の一般民事事件、家事事件、企業の法律相談、訴訟案件など、幅広い相談に対応し、時代にあわせたサポートを行う。
山岸潤子
弁護士。仕事と子育てを両立する、弁護士歴約20年のベテラン。非常勤裁判官経験もあり、現在は東京家庭裁判所調停委員も務める。子どもの権利委員会、少年法委員会、男女共同参画推進プロジェクトチームほか、多くの弁護士会の活動にも携わる。
林 良子
税理士。一般企業の経理などをしながら税理士試験に合格。現在は内山・渡邉税理士法人の社員税理士であり、租税教育の講師も行う。得意分野は資産税(相続税・譲渡所得税)を中心とした税務コンサルティング、法人税、所得税の節税対策。
編集・構成=干川美奈子 撮影=干川 修