子どもの預け方にも多様性が必要

【平田】今は保育園に注がれている補助金を、保育の需要者である家庭に「保育バウチャー」として配布する案があります。ベビーシッターや一時預かりも含め、各世帯が教育方針や働き方に合わせて保育の形を選択できる仕組みです。

【児玉】それなら、認可保育所に入れた人だけが税金の恩恵を受ける不公平も解消されそうですね。

【平田】今年1月に「フリーランス協会」を立ち上げました。誰もが自分らしい働き方を選択できる社会を実現するため、共助や互助の仕組みをつくりながら、公助へも働きかけていきます。保育の多様化は、重点テーマの1つですね。

【中山】最近はさまざまなマッチングプラットフォームが登場したおかげで、独立するぞ! 稼ぐぞ! 子育ても大事にするぞ! という意識でフリーランスに挑戦しやすくなってきています。ただ、そのとき、リスクとして気になるのは、やっぱり社会保障の面ですよね。

【平田】自営業として、健康保険は国民健康保険に入れるし、年金は国民年金がある。でも、雇用保険に相当するものはありません。

【中山】そう。雇用保険はもちろん、産休・育休もないんですよ。

【児玉】柔軟な働き方を支援するという意味でも、厚生労働省がそういうシステムをつくってくれれば、ありがたい。もちろん月々の保険料は支払います。

【中山】育休はともかく、せめて産休時の収入保障はほしい!

【児玉】急病になったときの保障も大事ですよね。フリーランスは代えがきかないというのが最大のリスク。だから、「フリーランス協会」がつくろうとしている互助の仕組みはすごく魅力的なんです。

【平田】「働き方改革」でフリーランスを志す人は増えていますが、現時点では環境が整ってはいない。そこを良くするために協会をつくったので、ぜひ国にも支援策を期待したいですね。

▼「フリーランスの働く環境」に関して

「フリーランスの働く環境」について、下記により要望いたしますので、よろしくご配意賜りますよう、切にお願い申し上げます。

(1)雇用保険に代わる制度を検討してください
フリーランスも、産休・育休中の収入補助や失業給付が受け取れるよう、制度設計を見直してください。

(2)保育制度を多様化し、選択肢を与えてください
働き方が多様化している今、保育の形も多様化しています。保育バウチャー制の導入を検討し、保育を必要とする各世帯が、働き方や教育方針に合った保育の形を選択できるようにしてください。

以上 座談会参加者 一同