キャリアの壁2:中長期でキャリアのことをどう考えればいいの?

10年後、20年後のキャリアについて考えると不安なことだらけですよね。10年後もいまの会社があるとは限らないし、人工知能が発達したら自分のスキルは無用になるかもしれない。でも具体的に何をすればいいかとなると、よくわからない。そういう人は少なくないと思います。

私は自分が20~30代だったころ、60歳、70歳になったときのことを考えたことは一度もありませんでした。でも当時何も考えなかったせいで、何か問題が起きたかというと、いまのところ何もありません。やっぱり人生って、そのときになってみないとわからないんですよ。

もちろん、長期的な人生設計を考えることはマイナスではないけれど、気をつけてほしいのは、それにとらわれること。人生はいろいろあるから、変更がある前提で立てたほうがいい。そうでないと計画変更をストレスとして感じてしまいます。

ただし、「自分は子育て中でもなんらかの仕事はしていたい」とか、「子どもができたらいったんキャリアはストップするけれど、いずれまた働きたい」というざっくりした展望は持っておくこと、それを会社に伝えておくことは大事です。そうすれば会社も支援しやすくなる。それは決して会社に甘えるという意味ではなく、自分が仕事でがんばっていくために、会社といい関係をつくっていくということ。そうすれば上司も、手の差し伸べ方を考えられる。その程度の将来展望は持っておくべきだと思います。

▼先のことはざっくり決める考えすぎても仕方ない

私も50歳近くなりましたが、いまだにいろいろな不安を抱えています。一見盤石なキャリアを持つ同年齢の女友達を見回しても、この先の明確な道筋をつけられている人は一人もいない。「四十にして惑わず」というけれど、それは平均寿命が短かったときの話。不安がゼロになることは、多分一生ないのでしょう。

じゃあどうするかというと、「今日という日を大切にするしかない」というのが今のところの私の解。もちろん理想通りにはいかないだろうけれど、今日で人生が終わるというその瞬間、「ああ、終わるのか。でも悔いはなかったな」というふうに締めくくれたら、それでいい。悔いを残さないためには、一日一日をていねいに生きていくしかありません。今日自分がやるべきTo Doをやり切るというような、小さいことを積み重ねていく。そうすることで、自分でも想定していなかった出会いやチャンスにつながっていくことは絶対にあると思います。

だから、将来について不安になりすぎなくてもいいんじゃないかしら。むしろそれにとらわれて、今日の仕事が手抜きになってしまうほうがまずい。会社の視点からすると、結果が出ていなければ、悩んでいるのもサボっているのも一緒。そこは切り分けるようにしてくださいね。

▼田島さんから「私らしく働く」アドバイス
将来にとらわれすぎて今日の仕事がおろそかになることのほうがまずい!