複雑なことをシンプルに整理するには?

▼図を使って全体像を把握(村井さん)

(図1)コンサルティングをしているお店の問題がどこにあるのか、時系列で分析してみたもの。(図2)会社の事業計画を練ったときのメモ。どんな機能が必要か、誰に何を頼むかが一目瞭然。

ものごとは図に落とし込むと全体像が把握しやすくなります。きれいに仕上げる必要はないので、まずは描いてみましょう。

たとえば図1は、私が実際にある飲食店のコンサルティングをしたときに描いた図です。そのお店のオーナーは漠然とした問題意識はあったものの、何が問題か、はっきりつかめていませんでした。そこでそのお店を利用するお客さんの行動を時系列に一つずつ並べてみることで、どこでつまずいているかを分析してみたのです。このように「時間」で区切ってみるのも図解の手法のひとつです。

図2は、私が自分の会社を設立した際、誰にどんな仕事を頼むか考えたときのものです。図にすることで全体を見渡して、会社に欠かせない機能は何か、外注できる部分はどこかを特定することができました。

このような図をいきなり描くのはハードルが高い、という人は、最初は「表」を書くことから始めてはどうでしょうか。たとえば人の話は、たいてい三段構成になっています(「問題」「その理由」「解決方法」など)。まずノートに線を引いてスペースを3分割し、話を聞きながら、「これは問題」「これはその理由」「これは解決方法」というように、カテゴリーで分けていくのです。それだけで表を書くことができます。カテゴリーで分けると、ただ箇条書きにするより頭にスッと入るし、あとで見返したときもわかりやすくなります。

▼要点だけを抜き出して記録
いつも持ち歩き、何でも書きとめるための小さいノート(コクヨ)と、折に触れて読み返すための保存用のノート(無印良品)を使い分けています。小さいノートに雑に書いたものを後日清書することで、自然と要点が整理されます。(はあちゅうさん)

●美崎栄一郎さんの愛用ノート


どの位置からでもメモしやすい 「ニーモシネA5ノート 特殊5mm方眼罫・限定デザイン」(奥)と、A4の資料を折って収納できる「Ca. Crea(カ.クリエ)A4×1/3サイズ」(手前)を愛用中。
 
 
●村井瑞枝さんの愛用ノート


方眼入りの「ライフ リングノート クリッパー A4」(奥)は縦にも横にも使え、図を描くときに便利。入手しやすい「コクヨキャンパスノート」や「ツバメノート」のB5(手前)を常用。
 
 
●はあちゅうさんの愛用ノート


少しでも荷物を軽くするため、普段はA6サイズの「コクヨ キャンパスノート 5号」(奥)を愛用。大事なことは無印良品の「再生紙週刊誌4コマノート・ミニ」(手前)に転記している。
 

柳澤美帆、長山清子=構成