論理的にしゃべっているつもりでも、「結局何が言いたいの?」と言われてしまう。どうやったら、系統立てて説明できるのだろう。
キーワードのメモが、頭の中を整理していく
商談中は、常にノートにペンを走らせる。相手の話を聞きながら、耳に入ってきた言葉をできるだけ全部書き込んでいき、一区切りついたところでポイントになる箇所に○印をつける。相手の話の要点をササッと整理したら、「こういう理解でよろしいですか」と、確認しながら、話を進める。
原麻里子さんの仕事は、メーカーから買い取った鉄鋼素材を海外に輸出すること。月に1回は海外に足を運び、商談相手は、海外企業の社長であることも少なくない。
「お客さまはほんとに、いろんなことをお話ししますので。たいてい1時間ですが、その限られた時間の中で要望をまとめ、こちらの説明もしなくてはいけない。頭の中を整理するのに、ノートはなくてはならない存在です」
最近は、商談後にメモを見せながらその日の話の趣旨や次回までの課題を確認し合うこともあるという。
「相手もどこがポイントかを一目で理解できるようで、好評なんです」
メモの習慣は、入社したときから。異動して担当する製品が変われば心機一転。それまで使ったノートは捨てる。
「実はかなりの人見知り。いまだに初めての人に会うときはドキドキです。緊張して大事な話を聞きのがした、なんてことがないためにも、書く習慣を身に付けておいてよかったです」
■好きなことば
「為せば成る」
■リラックスするとき
夜、お酒を飲んでいるとき。レモンサワーが好き。
■朝ごはん
食べない。海外とのやりとりで夜遅くなることも。朝はゆっくり寝る。
■好きなくつ
オフィスではパンプス、工場ではぺったんこ靴。
三井物産スチールに出向中。線材・特殊鋼部門棒線貿易部、課長代理。2006年入社。鉄鋼製品本部薄板部電磁鋼板室を経て、2年間のロシア研修を経験。11年より現職。5人の部下を持つ。32歳。
撮影=キッチンミノル