なぜ「第3の活動」で本業の仕事が充実するのか?

ただ、そのワクワクを発見するのは案外難しいのではないか。有川さんは、とにかく動いていれば何か見つかる、と話す。

「動いていれば必ず感動することや、ちょっと面白そうといったことが出てきますので、とにかくやってみる。セミナーでも料理教室でも何でもいいので、チャレンジしてみるといいと思います。あとは成果を発表できる場や人に喜んでもらえる場があると、とてもやりがいになりますよね。“ヤッター”みたいな。このヤッター感が大事なんですよ」(有川さん)

現在発売中の『プレジデントウーマン』(2017年2月号)。特集「毎日が楽しい1年になる! 超シンプル時間術」の中で「第3の活動」をしている人々を取材。

そのヤッター感を実現した人がいる。

本業で不動産ポータルサイトの営業をしながら、NPO法人「二枚目の名刺」(http://nimaime.com/)でボランティア活動をしている藤崎梢さん(30歳)だ。

「『二枚目の名刺』には、毎年1回行っている夏フェスという一大イベントのプロジェクトメンバーとして参加したのが最初です。夏フェスでは、ゲストスピーカーの講演会やNPO法人のプレゼンテーション、座談セッションなどを企画し、のべ600人の方にご来場いただきました。いろいろな職種や年齢、バックグラウンドの人が集まり、ひとつのイベントを作り上げたときの喜びは、たとえようもないものがありました」(藤崎さん)

学生時代からボランティア活動をしてきたという藤崎さん。現在も、『二枚目の名刺』のほかに別のNPO法人や同窓会組織などに関わり、ゆくゆくは5枚ぐらい名刺を持ちたいと目を輝かせる。そうした本業以外の取り組みによってリア充度が増していく。「第3の活動」で“フル充電”し、それを「第1の活動」(仕事)にも循環できるようなサイクルが生まれる可能性もあるかもしれない。

会社をあげて働き方変革をしているリクルートマーケティングパートナーズの総務担当として働きながら、NPO法人 子育て学協会(http://kosodategaku.jp/)の理事を務める前田陽子さん(48歳)も、副業の中から達成感を感じている。

「もともと短大の保育科を卒業しているので、子どもにはずっと興味がありました。けれども自分が現場の先生をやるというイメージがわかなかったんです。そんなときに家族をサポートするチャイルドファミリーコンサルタントという資格があると知って、まさにこれだって。資格を取って1年後に、協会からお仕事の依頼をもらうようになりました。今は提携保育園の保護者会で講演することが多いのですが、人前で自分の考えを伝えるのは私にとってハードルの高い仕事。本業では裏方的な仕事ですから。でも本業では出てこない自分の一面が出てきて、うまくいったときは役に立てた充実感でいっぱいです」

本業や現在の部署とは異なるジャンルの活動をやってみる。それが思いもかけず、自分の中の潜在能力を引き出していくのだ。もちろん、「第3」とはいえ、いい加減に接することはしないのがポイントになるだろう。