【藤岡】うちの主人は年収1000万円以上ですが、年収1000万円以上の人が日本の所得税の半分以上を支えているそうです。ですから主人は「やってらんないよ」なんて言っています。

【住田】一方で、貧困の連鎖など、格差は広がる一方……。私は、「同一労働同一賃金」の考え方を日本も取り入れたほうがいいと思うんです。同じ仕事でも、東京と地方では、賃金差がありすぎます。

【藤岡】でも、同一労働同一賃金を取り入れると、規定の給料を払えないとの理由でつぶれる会社が続出しませんか? もっとも、同一労働同一賃金を取り入れる北欧などは、それでつぶれる会社は必要ないという考え方のようですが。

【住田】そこなんですよね。かといって、地方に助成金をじゃぶじゃぶと流すことがいいことだとは思えませんし。

【藤岡】でも新しい産業やイノベーションが生まれやすいように、大学の研究開発費を増やすことは検討してほしい。

【高井】それでもやっぱり私は、日本の将来に正直、明るい希望を見いだせていないんです。

【住田】どういうことですか?

【高井】日本が、泥舟に見えるんですよね。高齢化で舟のこぎ手もいなくて、ズブズブ海に溶けていくようなイメージ。応急処置をしつつ、海の上を進んでいけるようにしないといけないと思いますが、それが無理なら、泥舟から脱出するのも手なのではと真剣に考えています。

【藤岡】つまり移住ですか?

【高井】そうですね。私も夫も英語ができますし、ユニバーサルに通用するスキルもあります。クラウドなどで仕事も見つけやすいため、仕事には困らない。ですので、「日本丸」ではない船に移ってしまおうかなあと。薄情ですが。

【藤岡】ユニバーサルに通用するスキルがあればそれも一つの選択肢ですよね。日本も増税するなら、そういう国際的に力のある人をつくる教育に、より資源を投下してほしいと思います。

▼「消費税」に関する要望書

「消費税」の10%への引き上げについて、下記により要望いたしますので、宜しくご配意賜りますよう、切にお願い申し上げます。

(1)軽減税率うんぬんの話に時間をかけるのではなく、日本の未来を考えてどこにお金を使うべきか国会で時間をかけて議論してください。
(2)消費税率を上げるのであれば、給料も上がるような経済政策を実施する必要があります。

以上 第14回 座談会参加者 一同