母性信仰に意味はない、育てた人が親になる
【川崎】私は2人産みましたが、実感値としては「腹を痛めた自分の子だからかわいい」っていうのはほとんどなくて、他の家の子もかわいいです。里親をしている友人の子どももかわいい。「産めばよかった」って言ってるアラフォーの友達が多かったので、本(『愛は技術』)の巻頭では「卵子は待ってくれない」って書いたけれど、子どもを持つ方法は一つではない。
うちでは次女のときは、夫が専業主夫をしてくれたんです。10カ月ぐらいになると、「パパじゃなきゃヤダ!」って言って泣き止まない。夫は長女と血がつながっていないけれど、子育てしていたから「顔色が悪い。熱がある」って長女の具合が悪くなればすぐに気づく。私は気付かなかったです。産んだかどうかなんて大きな問題ではなく、育ててる人が親です。
――世間の皆さんは母性信仰が強すぎると私も思います。育てた人が親なんですよね。父でも養母でも祖父母でも。(3に続く)
1972年生まれ。埼玉県出身。1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社・株式会社ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活躍コンサルティング事業を展開。2014年から株式会社ninoya取締役を兼任。ブログ「酒と泪と女と女」を執筆、婚活結社「魔女のサバト」を主宰。11歳と4歳の娘を持つ。 著書に『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(ベストセラーズ)、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)など。
河崎環(かわさきたまき)
1973年京都生まれ、神奈川県育ち。桜蔭学園中高から転勤で大阪府立高へ転校。慶應義塾大学総合政策学部卒。欧州2カ国(スイス、英国ロンドン)での暮らしを経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、企業オウンドメディア、テレビ・ラジオなどで執筆・出演多数。多岐にわたる分野での記事・コラム執筆をつづけている。子どもは、20歳の長女、11歳の長男の2人。著書に『女子の生き様は顔に出る』(プレジデント社)。
プレジデントオンライン編集部 吉岡綾乃=聞き手 小川たまか(プレスラボ)=構成