ファミリー・フレンドリー企業が特に注目される
では、厚労省の均等・両立推進企業の表彰について、もう少し詳しく見てみよう。
均等・両立推進の表彰は、「ファミリー・フレンドリー企業部門」と「均等推進企業部門」に分かれている。
「ファミリー・フレンドリー企業」とは、厚労省の定義によると、仕事と育児・介護を両立できるようなさまざまな制度を持ち、多様で柔軟な働き方を労働者が選択できる企業のことだ。一方、「均等推進企業部門」は、女性労働者の能力発揮を促進するために積極的な取り組みをしており、女性社員比率を高めたり、女性の採用を拡大したりする企業がイメージされる。
グラフでは緑色の線が「均等推進企業部門」表彰企業、赤色の線が「ファミリー・フレンドリー企業部門」表彰企業の株価の平均的な推移である。これを見ると、「均等推進企業部門」はマイナスにこそならないが、株価の上昇が鈍く、「ファミリー・フレンドリー企業部門」の一貫した上昇と比べると見劣りしてしまう。
ここで男女の均等度に関して、さらに考えてみよう。まず、女性が活躍する企業という観点で、最も基本的な基準が男女の均等度である。女性の活躍には、女性が仕事の機会を広く持てる環境であることが大前提だ。
ただ、これは女性が活躍するスタート段階といえる。より高度な活躍の機会を考えるなら、仕事に対するスタンスや時間的な制約など、個々人の違いに応じた活躍の機会を提供していくことが重要だからだ。