子どもを保育園に預けて働くなら、存分に仕事をしたいと思ったものの、だんだん仕事のプレッシャーは強くなっていく。それでも仕事をつづけてこられた理由は、娘が発したあるひと言にあった。
マネジャーの大きな悩み
マネジャーには徐々になっていった感じです。ある日本企業が中国と台湾に経営管理基盤をつくる仕事をする中で少しずつ責任を手渡されていきました。中国のときはプロジェクトマネジャーの下につき、台湾のときは自分がプロジェクトマネジャーとして動きました。日本本社と現地との利害関係を調整するのが難しい仕事でしたが、苦労とともに楽しさも味わえた思い出深いプロジェクトです。
台湾でのプロジェクトがうまくいったときは、みんなで喜びを分かち合いました。現地を立つ前に「実は妊娠5カ月で、仕事が無事終わったので休職させていただきます」と挨拶したときの、何と清々しかったこと!
マネジャーになると、お客様が私に要求する責任の度合いもメンバーのときとはまったく違いますし、売上の視点からメンバーを動かす必要も出てきます。得る情報量も圧倒的に多くなりますが、責任を果たすためにはその情報を正しく判断しなければなりません。
ところが大きな悩みが、自分が細かいところまで把握できないと気が済まない性格だったということです。メンバーが持ってきたアウトプットだけではなかなか物事を判断できませんでした。マネジャーの経験を積むうちに、すべて確認しなくてもどういうプロセスを経てその結果に至ったかがはっきりすれば、判断できることに気づきました。でも執行役員になったらなったで、マネジャーから出てくる情報だけで判断していいのかと、今も葛藤しています(笑)。