恩は売れない。自衛手段を講じて

【本田健さんの回答】

どんな職場にも、ちょっと変わった人、責任感を持って仕事ができない人はいます。要は、その人たちとどういう距離感を取るかだと思います。その人が、法的に問題のあることをやるような人なのか、人格的に問題があるのか、単に仕事ができないのかでも変わってきます。

もし、その人に法的な問題がありそうなら、自分の立場をはっきりさせておかないと、とばっちりを食う可能性があります。ですので、メールなどでやりとりの証拠をしっかりと取っておく必要があるでしょう。

人格に問題があるのなら、その人の上司も、部下もよく分かっているはずです。こういう人には、根に持つタイプも多いので、ちょっと気を付けましょう。中には、仕事ができる人もいるので、どうつきあうのかがなかなか難しいものがあります。

特に、人を操作する達人もいるので、自分のキャリアを邪魔されないように、その人の上司とも人間関係を築いておくことです。ふだんからいい関係を持っておくと、何かあったときに、あなたには問題がないと考えてもらえる可能性が高くなります。

単に仕事ができない人の場合は、適当な距離を取っておくと、そのうちその人はいなくなります。「自分は悪くない」と言い張る人には、事実を突きつけても、逆恨みされたり、「生意気な奴だな」と思われたりするだけで損です。黙っていても、恩を売ったことにはならないでしょう。なぜなら、そのことに気が付かないぐらい鈍感だからです(笑)。

自分の人間的器を大きくする練習だと思って、上手にさらっと流しましょう。

男性回答者プロフィール:本田健(ほんだ・けん)
作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は2200万ダウンロードを記録。
代表作『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房刊)など、これまでに著書は110冊以上、累計発行部数は700万部を突破。
【本田 健 公式サイト】http://www.aiueoffice.com/

文=本田健、河崎環 イラスト=伊野孝行