あとで少しくらいがんばっても、そう簡単に成績は上がらない

上の子2人は成績がいいとはいい難く、高校受験のときに苦労したので、わかったことがあります。「高校受験に向けて中3になってから勉強しても遅い」ということです。もちろん、学力は中3からでも伸びます。しかし、内申点については中2からでも遅いのです。中学に入ったばかりのときから「ちゃんと勉強する子」だと認識されていないとなかなか評定が上がらないということを知りました。

年度初めに学校から配られる「評価・評定について」というプリントがあります。各教科、どのような観点で評価をし、評価する材料としては何を使うか、ということが明示されています。たとえば国語なら、「国語への関心・意欲・態度」「話す・聞く能力」「書く能力」「読む能力」「言語についての知識・理解・技能」というそれぞれの観点で、定期テスト、授業観察、提出物、小テストなどを材料に評価されるとされています。そして、評定の基準は、到達度が90%以上で「5」、80%以上90%未満で「4」、50%以上80%未満で「3」、20%以上50%未満で「2」、20%未満で「1」となります。

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評定の基準(東京都のある公立中学の場合)

ここでのポイントは、定期テストの結果だけではなく、日常の学習活動や評価材料(意欲や積極性、小テストの結果、宿題やレポートの取り組み、ノート提出と内容、実技テスト、作品、発表や発言の内容、プリントやワークシートの提出及び取り組み状況)を総合的に判断して評価されるという点です。定期テストの点数が少し上がったくらいでは、なかなか「3」を「4」にすることはできないのです。

なぜ、内申点が重要かと言うと、東京の都立高校の入試は、1000点満点のうち300点が内申点で評価され、残り700点分を学力テストで見るのです。学力テストで圧倒的な得点力があれば別ですが、同じような学力レベルの子たちと競う場合は、ある程度の内申点をとっておかないと不利な状況になってしまいます。

しかも、2016年度から音楽、美術、保健体育、技術・家庭の実技4教科の内申点は、学力テストが実施される国語、数学、英語、社会、理科の2倍で評価されることになり、これからは実技4教科の評価が特に重要になってきます。