病める時も……誓えます!

カズコさんは電話で別れを告げた。ユタカさんは、「ちゃんと会って話そう」と言い、最後のデートをすることとなった。

いつものファミレスで彼は言った。「僕と一緒に、お母さんの介護をしよう」「えっ」カズコさんは、手にしていたフォークを落とした。

「僕と結婚して2人でお母さんを見よう。僕が君の家に住む」「ダメだよ。ユタカさんの負担が大きすぎるよ……」「じゃあ、カズコさんはどうなるの? 僕がいれば、カズコさんの負担を小さくできるよ。結婚ってさ、“病める時”も一緒にいることを誓うんじゃないの? その予行練習なんだよ。大丈夫、僕らは助け合える」涙と鼻水でグシャグシャになりながら、お互いの手を強く握りしめた。

2人はすぐに入籍した。母親が天国へと旅立ったのはその2カ月後のことだった。

“富める時”とは異なり、“病める時”に一緒にいるのは本当に辛い。一緒にいられる人ばかりではない。しかし、“病める時”を最初から分かち合おうとする2人ならば、この先どんな試練があろうと乗り越えていけるだろう。

婚活というと、少しでも条件の良い相手を求めたり、自分を良く見せたりしがちなものだ。条件の良さは、上を見上げればきりがない。「いい人がなかなか見つからない」と嘆く人は、これから出会う相手や周囲にいる人を「“病める時”を分かち合えるかどうか」という観点から見てほしい。いい人を意外と早く見つけられること、請け合いだ。

大西明美
婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。
著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。