お見合い不成立で気付かされた「人柄の良さ」

案の定、お見合いの相手探しは難航した。プロフィール写真の交換で連続10人に断られた段階で、「会ってくれるなら、何歳の人でもいいです」とカズコさんは言った。しかし、還暦の男性からも断られた。さすがの私も打つ手なしかと落ち込んだ。

電話で状況を告げたところ、「あはは! 私って、どこまで見た目がダメなんでしょう」と笑って応えるカズコさんに、ハッとさせられた。「本当はカズコさんがいちばん辛いはずなのに、落ち込んでいる私を励ましてくれている。こんな彼女の良さにどうやったら気づいてもらえるものか」

思いあぐねた末に、突破口を見つけた。「お見合いパーティーに参加してもらおう!」

複数の男女が一同に介するお見合いパーティーは、ある意味、お見合い以上に見た目の影響が強く表れる。見た目に自信がない人は、自然と避けがちになるものだ。もともとカズコさんはお見合いを希望しており、私も無意識のうちに選択肢から外していた。

しかし「見た目勝負」と思われているお見合いパーティーだが、「見た目はダメでも、内面がめちゃくちゃ良い」人には勝機がある。経験から言うと、男性が10人いれば、1人くらいは“本気で内面重視”の人が存在する。そして、実際に会うことさえできれば、写真では伝わらない魅力を伝えるチャンスが何かしら生まれるものだ。

お見合いパーティーの勧めを、カズコさんは素直に受け入れてくれた。この彼女の勇気が、運命の相手を引き寄せることになる。