女性が持てる力を社会で存分に発揮するには仕事力はもちろん、人脈の活用がカギに。今、女性たちは新たなネットワークを構築すべくあらゆる垣根を飛び越えはじめている。そんな女性たちの実態を調査すべく、20~40代の働く女性1000人にアンケートを実施。彼女たちが求める“つながり”のあり方とは? 関西大学社会学部教授・安田雪さんに分析してもらった。
働く女性1000人を対象にアンケート!
Q1:あなたは職場の人や友人に限らず、多くの人とつながりたいと思いますか?
「全体で見れば、職場や旧知の友人に限らず、多くの人と関わりたいと思っている人が6割近く。その一方、4割強の人たちは、現在の友人とのつながりだけで満足しており、拮抗しています。つながりたい人の年代別の割合は、20代前半が最も高く、30代前半で底を打ち、その後、公私ともに余裕が出てくる30代後半から徐々に増加する、V字形になるのがポイントです」(関西大学社会学部教授 安田雪さん・以下同)
Q2:Q1で[YES]の人はどんなつながりをもちたいですか?
「つながりを求める人では、圧倒的に切磋琢磨し新たな何かを発見できる、ネット上以外のつながりを求めています。ビジネスの期待や、SNSでのつながりへの希求はそれぞれ2割ほど。単につながっているだけでなく、何かを生み出す、つまり『新たな発展性を持つリアルなつながりが欲しい』というのが本音のよう」
Q3:今、あなたはどんなつながりを持っていますか?
「『つながり』の現状を見ると、友人中心のSNSが4割以上。趣味や学び中心は約2割にとどまるなど、欲しいつながりと実際のつながりには大きなギャップがあることがわかります。社会貢献を軸とするような先端的なつながりを持つ人にも注目したい」
Q4:回答したようなつながりを持つことで、何か変わりましたか?
「1000人に対して計804件ものポジティブな体験を、つながりはもたらしています。友人増加、視野の拡大、自己発見などに加えて、ビジネスに発展したケースが106件。一方で、つながり疲れのケースも106件。メリットの分、デリケートな対応が必要」