そんな分かりやすい男子軸に、今の20~30代はひねりが加わって、今度は「ガジェットは好きですけど、でも上の世代みたいに成功にはしがみつきませんし、男だからどうこうとか思えないですし」なんて感じになっているようだ。それでも、いざ結婚や人生の決断の場面となると、刷り込まれた役割観と自分との間で逡巡してしまうらしく、社会学者・水無田気流さんと男性学研究者・田中俊之さんは対談「『男がリードすべき』が男女平等の最後の砦、個々人の性別役割への思い込みの解体が必要」と結論している。

社会学者・水無田気流さんの『「居場所」のない男、「時間」がない女』と、男性学研究者・田中俊之さんの『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』。2人の対談の結論は、「『男がリードすべき』が男女平等の最後の砦」だった。

ギラギラしているならしているなりに、ギラギラしていなくてもそれなりに、男子もみんな大変なのだ。「大人になんかなるな、これはワナだ」と大人になりたくない男子がいるのも、なんだかすごくよく分かる。

河崎環(かわさき・たまき)
フリーライター/コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。執筆歴15年。分野は教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他の雑食性。 Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどにて執筆・出演多数、政府広報誌や行政白書にも参加する。好物は美味いものと美しいもの、刺さる言葉の数々。悩みは加齢に伴うオッサン化問題。