存在すら知らなかった部署への異動

ただ、最初に「法人営業第二部」と聞いたときは、「それはどこ? 何をしている部署?」という感想だったのも正直なところです。

というのも地方の支社で働いていると、東京本社にあるいくつもの部署が、具体的にどんな仕事をしているかを実感する機会があまりないからです。

だから、東京に出てくるときは楽しみな気持ちと同時に、とても不安でもありました。

いまから振り返ると、そうした情報の少なさは、私が将来のキャリアを想像していく上で、ちょっとした閉塞感にもつながっていたように思います。

ただ、この1年間、東京本社で仕事をしたことで、自分の今後のキャリアへの選択肢がずいぶんと広がったように感じています。あの部署も面白そう、こういう部署でも女性が働いているんだ、と社内のいろんな仕事を間近に見ることができたからです。

女性が活躍しているフィールドが、自分の会社にもこんなにたくさんあるんだ、という実感。そうした実感を得られることが、女性社員のキャリアアップへの想像力を広げるのではないでしょうか。

キャリアを磨くということは私にとって、自分のやってきた仕事に対して自信を持てるようになることです。例えば東京本社の第一線でも結果を出せれば、どこにいっても自分は通用するはずだと信じることができる。一昨年取得したワインアドバイザーの資格も活かしながら、今後もそんな自信を一つひとつ積み重ねて、働く上での可能性を広げていきたいと思っています。

●手放せない仕事道具
手帳&スマホ(1日4~5件のアポをこなすため、スケジュール管理に必須。)

●好きな言葉
経験は裏切らない

●ストレス発散法
女子会

 
岩村 葵(いわむら・あおい)
北海道出身。2010年にアサヒビールに入社し、北海道で量販営業を担当。ワインの魅力にはまり、ワインアドバイザーの資格を取得。さらにワインにかかわる仕事をしたくなり、本社への異動を希望。14年より本社法人営業第二部にて活躍。

構成=稲泉 連 撮影=村山嘉昭