若い人たちは結婚したいと思っている

【田中】結婚に関しては、若い人たちは大人が思っているよりも「したい」と思っているんです。大学生を対象に調査すると、ほとんどの学生たちは結婚したいと思っていることが分かりました。もう少し上の世代の男性も同様です。今の話を展開して考えると「結婚はしたいけれど、昔ながらの性別分業型の結婚をしたいと思うと不可能だ」ということですね。つまり、「自分が一家の大黒柱になれるくらいの年収になったら結婚しよう」と思っていても、なかなかそうはならないから結婚できない。女性も「そういう男性が現れたら結婚しよう」と思っているが、現れない。だから結婚できない……そういうことではないでしょうか。

武蔵大学助教 田中俊之さん

ただ難しいのは、「関心がない」という人が確かに一定数いるのは事実なんです、恋愛にしても結婚にしても。それはちょっと昔とは違いますよね。

【川崎】それはやっぱり、結婚するより楽しいものがいっぱいあるからですか?

【田中】どうでしょうね? 一概には言えないんですけど、誰もが結婚していた時代のほうが少しおかしかったのかもしれない。「恋愛してないと変だ」とか「結婚していないと変だ」という“規範”が緩んだこと自体は、いいことなのかもしれません。結婚した結果として、みんなが幸せになっているわけではないですから。結婚してもうまくいっていない方や、もう離婚されている方もいますしね。

【川崎】私は、結婚したいのにできない人たちはもったいないなと思うんですよね。なんとかしたいなと思っちゃうんです。

【田中】そうです。そこが問題なんです。

結婚したいのにできない男女へのアドバイス

――結婚したいけどできない男女それぞれに、アドバイスはありますか。

【川崎】私が主宰している婚活の勉強会でよく言ってるんですが、見えてないんですよ。実は周りにいい人、合う人がいるのに。素敵なところでプロポーズしてくれる年収600万以上の王子さまみたいな人を求めている、みたいな女性が多い。ある30代の女性は、高級なレストランとか、素敵なデートを熟知していて、エスコートしてくれて、おごってくれる人がいいというんですね。ただし、おじさんやバツイチは嫌だと。ただ、そんな年季の入ったバブル紳士は50過ぎてないと無理じゃないですか。アラサ―辺りの男性でそんなことが自然にできるのは、東京都内に2人もいないですよ!(一同爆笑)