難民認定の難しさ

日本での難民認定は、法務省の入国管理局が行っています。日本への出入国管理をする部門です。認定作業の中で困難なのは、難民の方が偽装パスポートを所有していたり、命からがらの脱出のために申請書類がまともに揃わなかったり、あるいは、人間はつらい体験をできれば忘れたい、忘れようとするため、迫害などによるトラウマからインタビュー証言が曖昧だったりすることです。怪しい人物だと疑われるかもしれません。

実は難民が偽装パスポートを持っていることは度々あることです。迫害を与えている国が、脱出しようとする国民にパスポートを発給するでしょうか。そのためブローカーが偽造パスポートを手配する、というビジネスが成り立っているからなのです。皮肉なことに、偽装パスポートによって難民認定から弾かれてしまう危険性があるわけですが。

そんな中、昨年は5000人の難民が日本に避難してきました。日本が受け入れを始めてから過去最高の人数です。そうなると、対応する役所も大変なことになります。担当窓口を増員する必要がありますが、人の命を左右する非常に難しい仕事ですから、迅速には対応できません。この難民の急増と担当者不足の連鎖は、難民認定が下りるまでに時間を要してしまう原因です。残念ながら、最近では3~4年かかってしまうのが実情です。