「ワリを食っている」と思わせないために、あなたにできること

組織の中で、中堅と言われるポジションにいるみなさんにとっては、全社的な仕組みを変えて、より良い企業を作るとなると荷が重くても、個人レベルと企業全体をつなぐ部分で、尽力する余地はあるはずです。

そのヒントの一つが、非対称な状態から生まれてくる「割を食っている」人たちへのケアです。浮いた仕事は誰かがやらないといけない。これは当たり前ですが、実は現状、誰かの負担で解決されています。その「しわ寄せがいっている」人のケアは、現場の細かなことまで知り尽くし、面倒を見ることができる、みなさんの役割だといえるかもしれません。仕事が増えるよと、怒られてしまいそうですが。

問題が発生して、課題を解決したら、もしくは何かしらの方法でケアしたら、それを「ナレッジ」として蓄積していってほしい。そして、組織にフィードバックする。その仕組み作りにもトライしてほしいと考えています。絵に描いた餅のような仕組みや制度を作って、ワリを食う人と制度のうまみを享受する人を両極端に生み出さないためにも、現場で頑張っているみなさんが「結果的に仕組み作りに参画していた」という将来になることを目指してほしいのです。そうしないといつまでも、「女性の働く環境について質問したい」という、女子就活生はいなくなりません。

そう。未来は、みなさんの手「にも」かかっているのです。

サカタカツミ/クリエイティブディレクター
就職や転職、若手社会人のキャリア開発などの各種サービスやウェブサイトのプロデュース、ディレクションを、数多く&幅広く手がけている。直近は、企業の人事が持つ様々なデータと個人のスキルデータを掛け合わせることにより、その組織が持つ特性や、求める人物像を可視化、最適な配置や育成が可能になるサービスを作っている。リクルートワークス研究所『「2025年の働く」予測』プロジェクトメンバー。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』(以上、翔泳社)。「人が辞めない」という視点における寄稿記事や登壇も多数。