未収100万円の穴埋めは、100万円ではすまない

では今度はクイズです。売掛金100万円を回収できなかったとします。もし売上総利益率が40%の会社だったとしたら、再度100万円を手元に利益として残すために、どれだけの売上を上げる必要があるでしょうか。

ちなみに、売上総利益率というのは、売上から原価を引いた「売上総利益」が売上に占める割合のことを言います。

A.100万円 B.200万 C.250万円

正解は……Cの250万円です。回収しそびれた100万円を取り戻すためには、再度、100万円÷0.4=250万円を新たに売り上げなければなりません。穴埋めするための営業努力を考えただけでも、売り上げた分をしっかり現金で回収することの重要性が分かるのではないでしょうか。

資金を回収して初めて、利益を確保し投資ができる

利益は損益計算書の上で計算されます。しかし、その分の現金が会社に残されているかどうかということとは別の問題です。そして、会社が倒産するかどうかは、現金の有無で決まります。

売上が現金で回収されなければ、次に売るものを仕入れたり、社員に給与を払ったり、設備に投資したりするときに使う現金が準備できないことになります。仕入れるときに、前年度の損益計算書を持参し、「ほら、利益が出ているでしょ。この損益計算書上の利益で、御社の商品を売って」と言っても、モノを渡してくれる会社はひとつもないはずです。ましてや、お給料を現金以外のもので支給されても……ですよね。必要なのは、現金そのものなのです。

お客様から利益を得ることも大切です。そしてそれと同じように、いやそれ以上に、その利益をきちんと回収して、次の会計年度でいい商品やサービスの提供をすることも大事です。それが会社の継続・成長につながります。