初対面から「感じがいい」と思われる女性には、ある共通点があるという。第一印象を確実に上げる、客室乗務員のテクニックとは――?

声の好感度を上げる

次は、声の改善方法。声が小さくてよく通らないのは、おなかから声が出ていないから。「まず、直すべきはその猫背!」と、講師が自ら見本となる姿勢を示す。

【左】両足をそろえ、重心は土踏まずに置く。頭のてっぺん、首、おへそが垂直に並ぶように立つ。肩の力は抜き、前かがみにならないように気をつける。【右】玉ねぎをイメージしながら、おへそに向かって4秒、鼻から息を吸い込む。空気がたまったら、長ねぎをイメージしながら8~12秒、口から細く長く息を吐きながら「アー」と言う。声を手の甲にぶつけるようにするとよく通る声になる。

頭、首、おへそが天井から一本の糸で吊られているイメージで立ち、肩の力を抜いて肩甲骨を寄せる。すると、胸が開いて空気を吸い込みやすくなる。そして、「玉ねぎ呼吸」なるものを実践。おへその奥に玉ねぎ大の空間をイメージし、鼻から息を吸い込んだら、口から「アー」と息を長く吐き出す。これでおなかから声が出るようになるという。試してみると確かに、前より声の出がスムーズになり、通る声になっている!(レッスン4)

相手の姿が見えない電話口でも、実際に頭を下げてお礼を言うと、きっとその気持ちは伝わる。背筋を丸め、肘をつき、下を向いたまま話すとだらしない印象の声に。

電話中も気を抜かず、上半身の姿勢をキープ。顔を上げて話すと、声が前に出て聞き取りやすい声になる。

「メモをとるときはどうしても顔が下向きになりますが、背筋を伸ばしておけば声の通りも維持されます」

お礼を言うときは「ありがたい」という気持ちを込めて笑顔で、謝罪の際には沈んだ顔で言う。電話だと相手には見えないからと無表情になりがちだが、相手が目の前にいるかのごとく、表情をクルクル変えよう。(レッスン5)

普段の話し声が「ド」の人は、それより2~4音高いトーンの「ミ」~「ソ」で話し始めると、明るくいきいきした語り口調に。イントネーションは、重要な単語や山場をハイトーンに。

もともと暗くて低い声の人にも朗報が。声を即、明るく感じよく変えるコツがあるという。それは、通常より2トーン高い音で話し始めること。

「地声が『ド』だとすると、『ミ』の音で話し始めましょう。低い音から入るとそのまま上がり切らず、ずっと低いまま話すことに。話し始めが肝心です。ただし謝罪や深刻な話では音を低くしたほうが、真剣さが伝わります」

さらに、声に抑揚をつけるようにすると、感情のこもった話し方になる。

「社名や納期など強調したい言葉はゆっくり、はっきり発し、文の最後は下げて語尾を伸ばさない。すると自然と真ん中のほうが山型になり、話し方にインパクトが生まれます」(レッスン6)

アイウエオの母音を意識して、口を縦・横にしっかり開ける。もごもごと声がこもる人は、口が縦に開かない人が多い。「アエイウエオアオ」の反復や、早口言葉でレッスンを。

話をしている途中に「え?」とよく聞き返される人は、もごもごと口をあまり開かずにしゃべっていることが原因。単語や文節ごとに間を取るようにゆっくりと話すことを心がけよう。

「滑舌が悪い人が話している顔を見ると、口が横にしか開いていないことが多いです。縦にもしっかり開くことを意識して。聞き取りやすく話すことも、相手への思いやりです」(レッスン7)

ビジネスシーンでは「聞かれていること」を意識するのが、好印象キープのポイント。明日から人の目を気にしながら、声美人を目指そう。

撮影=松岡敦飛 取材協力=ANAエアラインスクール