本題に入る前に気の利いた話をして、その場の空気を和ませたい。でも、どうやって話題を探せばいいのか。やっぱり雑談力は必要?
時事ネタにどう反応するかが命
雑談は決して場つなぎではなく、雑談こそが仕事相手を理解するのに一番役立つ。そう言い切る藤本千穂さん。省庁や自治体、国内メーカーが飲食店で行うプロモーションを請け負い、企画や運営をするのが主な仕事だ。
「お会いした際にはまず、相手が興味を持ちそうな時事ネタを振るようにしています。あの会社は新しく○○を始めましたね、とか、この料理が流行っていますね、など。どのように反応するかには、彼らの考え方や今後の動きが集約されていると思うんです」
いったん会話が始まれば、今度は質問返し。「どうしてですか?」「こっちはどうですか?」と次々に聞いて、どんどん相手の考えを引き出していく。
「付き合いが長くなればなるほど、雑談の時間は増えます。会話の7割以上を占めることはザラで、雑談だけで終わることも少なくないですよ」
と笑う藤本さん。会話の中からニーズを探り当てたときには「弊社ではこういうこともやっていますよ」と提案につなげるが、たとえ会社の利益にならないことでも、相手が困っていたり、欲していることには、惜しみなく自分の持っている人脈や情報を提供する。
「長い目で見ればビジネスにつながると思いますし、何より人が喜んでいる顔を見るのが好き。嫌がられない程度にお節介であるよう心がけています」
■好きなことば
豪放磊落(らいらく)
■リラックスするとき
ごはんを作りながらシャンパンを飲む。テタンジェとパイパーが好き。
■朝ごはん
「菊水食品」の納豆。ヨーグルトは「パルテノ」。ごはんとおかずも。
■好きなくつ
「フェラガモ」、「カルミナ」が好き。ヒールは7cm。
食材プロモーション部門第3営業グループシニアリーダー。2004年入社。法人営業部門時代、最優秀営業社員に贈られる年間MVPに2年連続で選出。グルメフェスティバル「ジャパン・レストラン・ウィーク」の企画も手掛ける。1児の母。39歳。
撮影=キッチンミノル