街の本性は掲示板から――犯罪情報は警視庁ホームページと防犯メールを活用

初めての街で、その街がどんなところかを知るためには掲示板、張り紙が手掛かりになる。当然だが、「●●をするな!」と書かれている場所では、周囲に迷惑をかける行為が繰り返されていることが分かるし、「フランス語で料理教室」などといった習い事の掲示がある場所には趣味にお金をかける余裕のある住民が多いことが分かる。自治体、町内会の掲示板のほか、マンションの掲示板、公園の張り紙なども見ておきたいところだ。

犯罪事情は東京都に限られるが、警視庁の「事件事故発生状況マップ」で調べられる。最近では万引き、公然わいせつなど犯罪の種類によっては発生した地点も表示されるので、それぞれの街でどこが危ないかもピンポイントで分かる。また、警察署によって統計、情報の出し方は異なるが、管轄エリアでの犯罪の発生状況を細かくホームページにアップしている署が増えており、それをチェックすれば、地域の犯罪事情は推察できる。

昼間と夜間では、人通りや治安ががらっと違う地域も。事前情報で住まう場所の安全性を確認しよう。

住みたい街として候補の街があり、早くからリサーチをしておこうと考えるなら、地元の防犯メールに登録、情報を集めておくという手もある。自治体、行政、警察署など発信元はさまざまだが、どのような情報を発信しているか、自治体、エリアを比較してみると意外に差があることが分かる。速報性、内容を比較してみると、自治体の危機管理意識が分かろうというものである。

「住まいの解説者」という仕事柄、多くの人から街や住まいの調べ方を聞かれるものの、確実な良し悪しを言いにくいのが学校の情報。街の掲示板や、学校の評判が書かれている教育系サイトはあるものの、主観が入りやすい内容だけに、全てを鵜呑みにするのは危険。具体的な記載があれば別だが、参考程度に捉えるほうが良い。もし、気になるようであれば事前に連絡の上、校内を見学させてもらい、雰囲気から類推してみよう。

街の犯罪情報・交通事故に関する情報はココでチェック!
■警視庁 事件事故発生状況マップ
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/annai/map_annai.htm
中川寛子
東京情報堂代表、住まいと街の解説者、日本地理学会会員、日本地形学連合会員。
住まいの雑誌編集に長年従事。2011年の震災以降は、取材されることが多くなった地盤、街選びに関してセミナーを行なっている。著書に『キレイになる部屋、ブスになる部屋。ずっと美人でいたい女のためのおウチ選び』『住まいのプロが鳴らす30の警鐘「こんな家」に住んではいけない』『住まいのプロが教える家を買いたい人の本』など。