自然災害関連は自治体ホームページと古地図をチェック

自然災害の多発する昨今、これから住まう場所の安全性は気になるところ。購入を検討するための事前調べは怠れない。その安全性を効率的に調べるツールの一つとして、地元自治体のホームページをフル活用したい。必ず見ておきたいのはハザードマップ。その土地で想定される危険に応じて作られており、多くの都市圏では地震、水害を対象として作られていることが多い。ホームページで閲覧できる自治体も増えており、簡単に確認できる。

ハザードマップの利用はもちろん、古地図に照らすと整地前の土地の様子がよく分かる。スマホでは、海抜を調べられるアプリも。住む場所の安全性はしっかりと把握したい。

この他、意外にヒントになるのが自治体の歴史、地名の由来である。ご存じのように地名はその土地の来歴を示すもので、“災害地名”(下記「地名があらわす災害の歴史」参照)ともいえる危険な地名があることが知られている。“地名辞典”を見るのが正攻法ではあるが、自治体によってはホームページで紹介しており、それを調べるのが手っ取り早い。地元に歴史博物館のような、郷土の歴史に関する施設があればそこに問い合わせてみる、訪ねてみるのも手。地域に詳しい学芸員がいれば、かなり深い情報が得られるはずだ。東京23区に関しては「公益財団法人特別区協議会」が特別区自治情報・交流センターという23区に関する資料を集めたスペースを作っており、有益な情報が入手できる。

また地図あるいは現地で、交差点や小学校、公園などの地名をチェックし、“危険地名”が含まれていないかを見るという方法もある。たとえばある通り沿いに●●橋という地名が複数あるとしたら、その通りは以前河川だった可能性があるし、公園に水由来の名称があるとしたら、それも疑ってかかろう。

こうした危険地名を発見した場合はもちろん、そうでない場合でも、過去の土地利用や状況を知ることは危険察知には欠かせない。そのために有用なのが埼玉大学の谷謙二先生が無料で公開している「今昔マップon the web」。現在と過去の、同じ場所の地図が左右で一度に見られるようになっており、過去の地図に置いたポインターが現在の地図に表示されるので、過去の池が今は宅地になっているなど、土地の変化が一目瞭然で分かる。地盤は弱くないか、液状化の心配はないかなど、古地図から懸念されるネガティブ情報を探ることができて重宝する。

街の土地に関するネガティブ情報はココでチェック!
■公益財団法人特別区協議会
http://www.tokyo-23city.or.jp/
■今昔マップon the web
http://ktgis.net/kjmapw/
■内閣府 政府広報 地名があらわす災害の歴史
http://www.gov-online.go.jp/cam/bousai2015/city/name.html