【竹田】今後われわれは、年金や医療を支えるために70歳すぎても働くようになるんでしょうね。

【石山】高齢者再雇用時代はすでに始まっていますもんね。私のいる建設業界は、ある程度の物件は1級建築士の資格を持っていないと管理できないから、有資格者の高齢者が優遇されて、どんどん再雇用されるんです。ところが、図面を見て安全が担保されているか確認する仕事が全然できない。そして、全部私が直すハメになる。

【松本】えっ、なぜ間違えるの? やる気がないんですか?

【石山】やる気はあるし、悪気もない。ただ複雑な事務の仕事はできない。彼らに何を任せるかも今後の課題だと思います。

【松本】受け入れる現場は大変ということですね。安倍首相は、高齢者以上に女性活用も声高に叫ぶけど、それだって、現場の声との乖離(かいり)が激しい。

【竹田】安倍さんは女性、女性と言うけど、長時間労働など男性の働き方を変えないとワーク・ライフ・バランスが実現できるわけがありません。私は、会社員では育児と仕事の両立は無理だと考えて、独立しようと思っています。でも、日本では自営業者に対して政府系金融機関がお金を貸すとか、起業を促進する支援が頼りない。

【石山】そのくせ、規制をかけ、補助金を与えて、大手を守る。ウチの会社もたっぷり貰っていますが。

【松本】いまだに予算消化のための工事や政府系広告があるなんてことも信じられないですね。

【竹田】そういう規制を仕切っているオジサン、オバサンには一度どいていただいて(笑)、「若手中心の国会」をつくってもらいたい。制度を決めるのも、オジサン、オバサンばっかりでは、彼らにとって有利な政策しか実行されません。

【松本・石山】まったく同感です。