[C]の人の性格傾向と心理分析
あなたはしっかりものです。「下手な鉄砲、数打ちゃ当たる」と軽はずみに好意めいた言動をとる人より、はるかに信頼されています。また、いつも好意を伝えられずにいるよりは精神衛生上ずっと健全です。いつもは何でも言えるのに、真剣に思う相手に対して何も言えずに困っているなんて、人間らしくていい感じですね。

対策
仕事の上で、日頃から自分の気持ちを明確に「○○さんと組めたら最高です」などと表現しているあなたが、いざ好きな人のこととなると珍しく黙って我慢している姿は、はたから見たら可愛らしいです。でも、「ここはいつもとは違う勝負どころ。嫌われてもいいから一度は告白しなければならない場面だ」と思った時は、心のストッパーを外してみましょう。うまくいけばハッピー。ダメならその時に修復を考えればいいのです。

[D]の人の性格傾向と心理分析
あなたは気持ちの切り替えが上手ですが、もしも相手が自分の好意を拒絶したら、「それは相手が悪かった」とか「今日は相当ツイてなかったな」と失敗の原因を決して自分の側に持っていかず、相手や運の悪さにする「外罰欲求」の強い人です。気が強くて自分はなかなか謝りません。相手を困らせてしまうタイプです。

対策
「何人かトライするうちに、誰かしらに当たるわよ」というような挑戦心は立派ですが、近しい同性の仲間たちから「あの人、当たり屋みたいね」と軽蔑されているかもしれません。もっともあなたは「石橋を全くたたかないで渡ってしまう」タイプですし、もしも人前で橋からザブンと川に落ちても「この橋の構造が悪いのよ。造った人を訴訟する」くらいの勢いがあるので、自分は常にセーフです。周りの迷惑をよく考えて大人の女性の処し方を身につけましょう。


 まとめ 

対人関係の「勇気」は、新しい仕事を始める場合などと違って複雑になってきます。特に恋愛の場合、告白するだけで、失敗しても成功しても自分のいい栄養剤になる、と考えらえる人と、もしも失恋したら一生立ち直れないだろうと考える人とでは、行動が全く違ってきます。

演歌の世界では「あなたのいない人生なんてもうおしまい」と、さめざめ泣くのがお決まりパターン。でも、実人生では失恋だろうが離婚だろうが、その時は一時的に落ち込んでも、結果的にはあなたという1人の女性をひと回り大きくするいいレッスンだった、と受け止められるようになってほしいと思います。

これは心理学上の“個人の成長”という視点で十分説明もできますが、私は体験上、そのことを確信して、あなたの勇気ある行動にエールを送ります。心理学者アドラーも「過去の影響をどう意味づけるかはあなたの主体性の問題だ」と明言しています。拙著『30日間で生まれ変わる!アドラー流心のダイエット』も参考にしてみて下さい。


佐藤綾子 パフォーマンス心理学 博士
常に女性の生き方を照らし、希望と悩みを共に分かち合って走る日本カウンセリング学会認定スーパーバイザーカウンセラー。日本大学芸術学部教授。「自分を伝える自己表現」をテーマにした単行本は180冊以上。新刊『30日間で生まれ変わる! アドラー流心のダイエット』(集英社刊)は9月4日発売。