プレゼンは「誰が」「何を」「どうやって」の掛け算で決まる

では、あらためてプレゼンテーションの成功要素を見ていきましょう。プレゼンテーションは、【プレゼンス】×【コンテンツ】×【デリバリー】という3つの成功要素の掛け算で成り立っています。もう少し平たい言い方をすると、「誰が(=プレゼンス)」、「何を(=コンテンツ)」、「どうやって伝えるか(=デリバリー)」と言い換えることもできます。

プレゼンテーションの3つの要素

ここでポイントは3つの要素の「掛け算」であるということです。3つのうちのどれかがゼロもしくはマイナスだった場合には、プレゼンテーションそのものの意味がなくなってしまうということです。つまり、内容がよくても、話し方が適切でなかったり、話す人が信用されていなれば価値が伝わらないということです。

先程述べたケースはこの3つの要素のうち、どれか1つだけに偏ったり、どれかが欠けているために失敗しています。自分のプレゼンテーションがどこでつまづいているのかも、この3つに要素分解することで見えてきて強化することができるのです。プレゼンテーションはコミュニケーションの総合格闘技。自分の強み弱みを理解した上で、スキルを向上させていくことで、必ず上達します。

次回からはこの3つの要素について詳しく説明していきます。

清水久三子

お茶の水女子大学卒。大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社後、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、数々の変革プロジェクトをリード。
2005年より、コンサルティングサービス&SI事業部門の人材開発部門リーダーとして5000人のコンサルタント・SEの人材育成を担い、独立。2015年6月にワーク・ライフバランスの実現支援を使命とした会社、オーガナイズ・コンサルティング
を設立。延べ3000人のコンサルタント、マーケッターの指導育成経験を持つ「プロを育てるプロ」として知られている。
主な著書に「プロの学び力」「プロの課題設定力」「プロの資料作成力」(東洋経済新報社)、「外資系コンサルタントのインパクト図解術」(中経出版)、「一瞬で伝え、感情を揺さぶる プレゼンテーション」、「外資系コンサルが入社1年目に学ぶ資料作成の教科書」(KADOKAWA)がある。