「プレゼンテーションはコミュニケーションの総合格闘技である」――元IBMのコンサルティング&SI事業部門で、5000人のコンサルタント・SEを育成した経験のある「プロを育てるプロ」、清水久三子さんはそう言います。本連載では豊富な経験から導かれたプレゼンテーションの必勝テクニックをお届けします。

コンサルタントにとって、プレゼンテーションとは何か?

コンサルタントというと「~すべきです。何故なら……」とロジカルに堂々と提言しているシーンを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか? コンサルタントにとってプレゼンテーションとは、提案を受け入れてもらったり、多額のコンサルティングフィーの妥当性を問われる真剣勝負の場です。新人は研修で基礎を学び、現場では先輩コンサルタントから情け容赦のない指導を受けます。私自身がコンサルタントとして、また人材育成部門のリーダーとして数千人を指導してきた中で、「ああ、またこれか」と遭遇する失敗パターンと、成功するために必要な3つの要素を紹介します。

3つの失敗パターン~「資料作成=プレゼン準備」ではない

本連載ではプレゼンテーションのさまざまなテクニックを紹介していきますが、まず、私が多くの方々を指導してきた中で、よく遭遇した失敗パターンをいくつか挙げてみましょう。次の頁で具体的な例を挙げるので、自分に当てはまるものがあるかどうか確認してみてください。