料理研究家が登場したのは明治時代ですが、戦後、『きょうの料理』などのテレビ番組で活躍する料理研究家が出てきました。その歴史を見てみると、外交官の妻の飯田深雪、ロシア貴族の妻の入江麻木など、セレブリティが教える西洋料理、というのが初期の傾向です。裕福な家に育ち、海外で料理を学んだという点で共通している江上トミは、江上料理学院を設立し、また地域に根差した家庭料理をも伝えようとしています。
書店でも人気の有元葉子もその系譜です。ヴェトナムとイタリアがベースにある有元さんの料理は、未知なる海外のおいしいごはんを身近なものにしてくれています。
“飲み会”“忘年会”という名のホームパーティーで、いつもみんなに料理を振る舞ってくれる友人がいます。彼も有元さんの本を読んでいるようで、一緒に参加した友達は「あの料理、さすが有元葉子の本を読むだけあるね!」と帰り道に思い出したようによく言っています。
読んでいて偉大だな、と思ったのが小林カツ代です。家族の食事は大事。でも、働く女性が毎日料理をするのはハードです。カツ代さんは、時短テクを駆使し、思いもよらなかった方法で、しかもおいしいレシピをたくさん教えてくれました。昔からの教科書通りの作り方ではないことも多く、半信半疑だったこともあるのですが、「こうしたら火の通りが早かったのか!」「ベチャベチャにさせずに上手に作れたぞ!」と、実際に真似してみて感動したものです。