FACE TO FACE ポジティブな場を共有する

当然のことながら、経営も2つの大きな車輪をコントロールする必要がある。決して容易なことではないはずだ。リーダーシップについて質問を向けると、「一番、大切なのはビジョンを明確にすること」とラウラは即答した。

「企業として何を求め、どこに向かっているのか。それを常に伝え続ける努力が必要です。そうしなければ、社員全員が足並みを揃えて同じ方向に進んでいくことはできませんから」

そのためには、まず経営陣の意思疎通をはからなくてはいけない。現在、マネジメントチームのメンバーは5人。それぞれが忙しく世界中を飛び回っている。メールや電話では伝えきれないことも多いため、ラウラは2~3週間に一度、スイスに全員を集めてトップミーティングを行なうことにした。

「すでに10回以上開いていますが、顔を合わせて話し合うことの大切さを実感しています。ただ、個々に懸案事項を抱え、それを報告し合うだけで3~4時間はあっという間に過ぎてしまう。『これからはポジティブなニュースばかりの会議にしましょう』と言っていますが、できるかどうかはあやしいわね」

明るくそう言って笑いを誘うラウラは、初対面でもファンになるほど魅力的な女性だ。その点からもリーダーとしての資質は十分といえるだろう。