何十万人もの女性たちを救いたい!

初回開催にあたっては、それまでの経験があるので、企画運営面での大きな障害はなかったです。ただ、私自身の視点も変わり、全国の女性リーダーを招きたいとか、男性にも参加してほしいと考えました。企業には価値をわかってもらいたいと思い、スポンサー探しのために企業に説明に行きました。ある方の紹介で経済団体にも行きました。そこの会員企業がスポンサーになってくれるだろう、とのことだったのです。

「怒り心頭。でもやる気が出てきて」と、過去に越えてきた壁について、笑顔で語る佐々木さん。実績はもちろん、この志、人柄に魅了されて集まった多くの仲間たちが、国際女性ビジネス会議を支える。

行ったら、2時間みっちりお説教。「日本にこんなものは必要ない。こんなところに集まる女性は、日本経済の落ちこぼれだから、そんな人たちにわが団体の企業が興味をもつわけがない」と。

最初は「何でこんな目に遭わなきゃいけないの」と怒り心頭でしたが、だんだんすごくやる気が出てきて(笑)。この人たちの下で働いている何十万人もの女性たちを救ってあげなきゃ、という気持ちになったんです。

開催したら参加者は500~600人と、第1回目としては大成功。その方には「ご心配おかけしたものが、こんな大成功しました」とお礼状を出しました。返事は来ませんでしたけど(笑)。

今は総理自ら言われるように、日本も女性の活躍が必要だという時代になりました。今回も経団連で初の女性役員になられた吉田晴乃さんがスピーカーとして来てくださいます。

20年でここまできました。私は10年で、と思っていたのですが。

もともと私はこの会議は10回、10年でやめると宣言してスタートしたのです。こんな会議はいらないようになってほしいから。でも9回目のときに、多くの方から「まだ早いのでは」と言っていただき、じゃあ、あと10年かな、と。それが今年の20回です。でも、今やめられない感じですよね。あと5年くらいで必要とされなくなればいいですが、あと10年くらいですかね、そうなるのは。

※佐々木かをりさんインタビューの【後編】は、7月7日に公開予定です。

第20回国際女性ビジネス会議は、2015年7月26日(日)10:00から開催。
詳細、お申し込みはホームページ(http://www.women.co.jp/conf/)をご覧ください。

佐々木かをり(ささき・かをり)
大学卒業後、フリーランスの通訳を経て通訳・翻訳・国際コミュニケーションコンサルティング等を行うユニカルインターナショナルを設立。同時にテレビ朝日「ニュースステーション」のレポーターもつとめた。1996年からは日本最大級の女性会議、「国際女性ビジネス会議」を主催。2000年にイー・ウーマンを設立。現在、上場企業の社外役員、財団等の理事、内閣府、経済産業省、法務省、文部科学省等の審議委員などもつとめる。時間管理の第一人者として手帳「アクションプランナー」を活用する「佐々木メソッド」による時間管理術は企業・学校でも活用されている。

構成=江頭紀子 撮影=遠藤素子