営業を知り尽くした男に聞く-トップセールスに学ぶ理由-

――横田さん、営業って、どんな仕事ですか?

ひと口に営業職といっても、既存の顧客を相手にするか、新規開拓を主とするか、個人向けか法人向けか、扱う商品やサービスによっても、仕事内容はさまざまです。ただ、どんな営業も、コミュニケーション力をフルに活用して仕事をしているという点では共通しています。顧客への提案、金額の交渉、スケジュールの調整。どの場面をとっても「伝える力」は欠かせません。

一般的に男性の仕事だと思われていた営業職で、今、多くの女性が活躍しています。トップセールスというと、男並みにバリバリ売っている女性を想像されるかもしれませんが、実際には肩ひじを張らず、謙虚な印象の人が多いと感じます。気遣いや相手に合わせる柔軟な対応が共通項です。

また、相手に感情移入する力が、男性よりも強い。顧客目線に立ち、自分が顧客だったらセールスに何を求めるだろう? と、相手にとっての価値を先回りして示します。

そしてもう1つの特徴は、チャレンジ精神が旺盛なこと。保守的にならず、新しい環境や未経験の分野にどんどん飛び込んでいく。逆境や挫折もチャンスだと思い、楽しんでいる人が多い。トップセールスの女性はこれらの資質を備えています。

横田雅俊
外資系ISO審査機関の営業職として、最年少、最短、最高記録を更新し、世界2300人のトップセールスとして、東京本社マネージャーに就任。独立後、カーナープロダクトを設立し、代表取締役に。数多くの企業の営業力強化に携わる。実践重視の営業力分析、営業戦略構築、営業トレーニングに定評がある。著書に『トップセールスには、なぜ「いいお客さま」が集まってくるのか?』(ダイヤモンド社)。

文=浦上藍子