「新しいものをつくること」に燃えるタイプ

私は三井物産でこれまで、ファッションビジネス事業部やエネルギー本部などで働いてきました。

商社を志望したのは、大学時代に体育会に所属していたことがきっかけでした。ハンドボールを中学、高校と続けてきたのですが、実は大学にハンドボールの女子部がなくて、新しい部を作る活動をずっとしていたんです。

新たに女子部を作るためにはメンバー集めだけではなく、男子部の監督やOBの会長から許可を得る必要があります。その際に出会った監督やコーチに三井物産の人がいて、なんとなくこの世界に憧れるようになったんです。みんなと食事をしても後輩想いで気持ち良くご馳走してくれたり、英語で喋ったりしている姿が、学生の目から見て単純にカッコいいなと思って。

いまから思えば女子部を作ろうとしたように、私は何か新しいものを作ろうとするときに気持ちが燃えるタイプなんですね。社会人になってもそういう仕事をしたかったし、それなら舞台は広ければ広いほどいい。

その意味で就職活動のとき、結果的に体育会の経験は本当に大きかったと思います。体育会というのは伝統や歴史を重んじる世界ですが、その伝統を尊重すると同時にそこから抜け出すことが、女子部を作るためには必要だったからです。

商社も実際に入って働いてみると、伝統的で日本的な組織である一方、それを乗り越えて新事業を作っていく姿勢が様々な局面で求められます。それに女性の総合職採用が2けたを超えて漸く十数年、まだまだ、ほとんどが男性の部署も多い。男性ばかりの環境に臆せず向かって、女子部を作ろうとしたことがなおさら良い経験になったと感じてきました。

寺田理恵子
2004年入社。コンシューマーサービス事業本部にて主にファッション分野を担当後、07年修業生としてイタリアへ。08年よりイタリア三井物産Plastic Div.勤務。09年エネルギー第一本部原子燃料部原子燃料サイクル室を経て11年労働組合専従。13年メディカル・ヘルスケア事業部医療事業第一室、15年より社会福祉法人三井記念病院に出向中。

構成=稲泉連 撮影=村山嘉昭