限られた時間の中で成果を上げる人には、何か秘密があるはずです。1日の時間の使い方はもちろん、1週間の流れの中でも、仕事と生活の緩急のリズムを上手につくっているに違いありません。8人の時間管理の名人たちにその秘訣を聞きに行くと……

部下8人を抱える森明子さん(38歳)。彼女は、勤務時間の9割以上を部下の対応に充てている。自分1人の作業に没頭できる時間は、全体の1割以下。そうなると必然的に、それぞれの作業を早く的確に遂行せざるをえなくなる。

みずほ銀行 神谷町支店 渉外2課次長 森明子さん

「時間に制約があるから、能力をアップすることができる。たとえば書類を読む速度は、訓練次第で上げられる」

 森さんはそう前向きにとらえている。部下とのやりとりは、「フェース・トゥ・フェース」が基本。「そのほうが書面やメールよりも早いし、彼らの人と話す技術も磨かれる」というのが森さんの持論だ。判断を迫られたら、難しい案件でない限り後回しにせず即断即決する。処理すべき案件は、たとえ期日まで時間があっても、早めに済ませる。このように「グレーゾーンをつくらない」という姿勢こそ、膨大な業務を確実にこなすことにつながるのだ。