人生を旅ととらえれば前向きに挑戦できる

ビッグ4を自分の中の経営陣とすると、その経営陣の職務を監査する役にあたるものが必要です。その監査役を私はトランスフォーマー(変革者)と呼びますが、その中に3つの要素があります。

原題『Winning From Within』。人間の内面には4つの人格があり、その特徴と役割を熟知することで自分を改革できるというフォックスさんの研究成果をわかりやすく伝える。講談社刊。

ひとつは【旅人】の面です。人生を【旅】としてとらえ、人生を通じて成長し、学び続けるということです。

人はよく特定の目的を達成することと、豊かな意義ある人生を生きることを混乱します。目的を達成した後、何をしたらいいかわからなくなる人は、人生を旅としてとらえていないのです。ある特定の目的を達成するかしないかを人生の尺度にすると、多くの点で不幸になるリスクが非常に高くなります。

しかし、人生を【旅】として考えると、どれほど苦痛を伴う経験をしてもそれは【人生の1つの章】としてとらえることができ、失敗しても次のステップに進むことができるのです。この生き方の方がはるかに健全な生き方です。仕事で行き詰まり、結婚生活もうまくいかないとなると絶望的になってしまいますが、それを絶望ととらえずに、次のステップに進むための試練だと考えるのです。

私自身、結婚相手がオランダ人であったために、ボストンとオランダの二重生活を強いられました。オランダでの生活はボストンでの生活とあまりにも違ったので、最初はイライラすることが多かった。でもオランダ人が間違っているのではありません。何が正しいとか間違っているとかいう見方をしてはいけません。いやな経験をしたら、それを異なるものとして受け入れ、その違いから学ぶようにするのです。