adidas Stan Smith (アディダススタンスミス)

adidas Stan Smith (アディダススタンスミス)

1972年、アメリカ人テニスプレーヤー、スタンレー・ロジャー・スミスがウィンブルドンで優勝したときに履いていたのがアディダスのテニスシューズ、ロバートハイレット。フランス人プレーヤー、ハイレットにちなんで名づけられた靴だ。でも当のハイレット選手は、不運なことにグランドスラムで1勝もできなかったうえ、“スタン・スミス”ほど響きのいい名前でもなかった。ということで、ウィンブルドンでのスミス選手の功績を讃え、アディダスハイレットのモデル名はスタンスミスへと変更された。

この控えめな白いテニスシューズが売り上げ4000万足を超えるベストセラーとなったのは、当然といえば当然だ。すっきりとしたデザインは、コート上で洗練されて見える(特にウィンブルドン規定の白いウェアと合わせると)だけではなく、スポーツの世界からいとも自然にファッションやストリートスタイルに取り入れられていった。この成功は、必要最小限のデザインによるところが大きいと思う。すっきりと並んだ通気穴で3本線のアディダスストライプを表現し、1カ所にだけアクセントカラーがある(わたしの一押しはイラストにあるようなグリーン)。そして、どんなタイプのワードローブにもすんなりと溶け込む。

ヒップホップのジャージは? ……〇
 ピンストライプパンツは? ……〇
 ペンシルスカートとカシミヤニットは? ……◎

デヴィッド・ボウイからファレル・ウィリアムスまで虜にしているのも、当然といえば当然だ。