サバティカル休暇をフル活用
これまで7カ国に住み、働いてきましたが、仕事のパフォーマンスで女性であることが不利だと感じたことは一度もありません。女性蔑視を感じたこともまったくないです。国連には産休や育休はもちろん、サバティカル休暇など、それぞれの事情に合わせた働き方を選択するための制度が揃っているだけでなく、制度を活用することにも抵抗がありません。男性がマタニティー・リーブを取るのも当たり前になってきていて、そういう男性が職場にいると、まわりは「すごいね。やるじゃん!」と応援する雰囲気があります。日本の状況を見ていると、「大変だな」と思います。
サバティカル休暇というのは、数カ月から2年間にわたって取得できる長期休暇です。理由は問われないので「子どもや家族と過ごすため」「両親と過ごすため」「勉強のため」など、さまざまな理由で認められます。実は私も最近まで、パートナーと共に過ごすため、このサバティカル休暇を取っていたんですよ。
ずっと、日本人がグローバルな環境で働くうえで必要な心構えやノウハウについて本を書きたいと思っていたので、このサバティカル休暇を使って執筆しました。そうしてできたのが『世界で働く人になる』(田島麻衣子著 アルク刊)です。
ところが、だいたいの執筆が終わった昨年6月ごろ、ちょうどWFP本部から、「そのままアルメニアに住みながら仕事をしないか?」というオファーがあったんです。それで在宅で仕事をすることにしました。
電話やスカイプ、メール、出張などを組み合わせれば、世界中どこにいても仕事はできるんですよね。チームのメンバーは、アメリカやイタリアなど各国に散らばっていて、24時間メールが飛んできますし、仕事相手との時差に合わせて打ち合わせをしたりするので、深夜や早朝に働くこともあって大変は大変なのですが。