【4】金融機関取引リストを作ろう

災害時、命の次に大切なのは、やっぱりお金です。建物崩壊や津波で、家も、通帳も、印鑑もなくしてしまったら財産はどうなのるか? 置いて逃げたら盗まれないか? と不安になる気持ちはよくわかります。とはいえ、貴重品を探すために倒壊しそうな家に入ったりするのはとても危険です。

通帳をなくしても口座の預金は消えるわけではありません。でも銀行の支店名や口座番号がわからなければ、自分のお金であることを証明するには多少の時間がかかります。

そこで銀行や証券会社、生命保険、損害保険、住宅ローン、クレジットカードなどの金融機関取引リストを作ってケータイやスマホにメモしたり、プリントアウトして防災袋の中に入れておきましょう。このとき、リストに残高や暗証番号は書かないほうが安全です。

このリストは万が一、あなたが亡くなった時にも役に立ちます。可能ならば世帯を別にする親や兄弟とリストを交換しておくとよいでしょう。

【5】大切なものは家庭用金庫にしまう

これは震災に遭われた方は皆さんおっしゃっていましたが、本当に家の中がごちゃごちゃになってしまいます。通帳、実印、権利書、重要書類、現金など、貴重品は自分しか知らない安全な場所に保管しているものですが、イザというときに持って逃げたり、後から探しに行く場合でも、大切なものがまとまっていれば探す手間も少なくてすみます。

たとえ財産が少なくても、家庭用の金庫を持ち、大切なものを保管しておきましょう。今は盗難リスクより地震リスクや火事リスクのほうが高いともいえます。イザというとき貴重品がまとまっていたほうが何かとメリットがあるのです。

一方、銀行の貸金庫を借りるというと手もあります。貸金庫は支店のある場所と金庫の大きさによって価格が異なり、大手銀行の東京営業部にある貸金庫の値段は、高さ106mm 幅251mm 奥行517mm・半自動型で、年額2万9160円。小さなものなら年1万円程度から借りられる銀行もあります。