入試シーズンが終われば、次は新生活へ向けての準備が始まります。地方から東京の大学へ、もしくは通える範囲にない学校へ進学する場合は、ひとり暮らしをさせる必要があります。1月27日にプレジデント・オンラインにアップした「大学受験にかかるお金」(http://president.jp/articles/-/14445)の続編として、「ひとり暮らしをさせるためにかかるお金」についてまとめてみたいと思います。

平均的なデータとしては、日本学生支援機構の「学生生活調査」、全国大学生協連の「学生生活実態調査」などをご覧ください。しかし、ここでは今回も、一浪後に2014年4月に私立大学に入学したわが家の長男の場合でデータを出してみます。ひとつの例としてご覧いただければ幸いです。

「長男とケンカ」から、部屋探しが始まる

ひとり暮らしをさせると決めたら、まず、部屋を探さないといけません。時期的には、私立大学の合格発表後の2月半ばからキャンパス近くの不動産屋が賑わい、3月に入って国公立大の合格発表のあとに次のピークがくるようです。不動産探しはタイミングもありますが、やはりコストパフォーマンスや条件がいい物件に住みたいなら、早めの動きが大事でしょう。

わが家は大学に通える範囲に自宅があるのだし、贅沢をさせるためのひとり暮らしではないので、家賃の上限は5万円と決めていました。将来、大学を卒業して社会人になったときに初任給でも払える家賃にしておかないといけないという判断もあってのことです。

地方から東京に出てきて30年近くたち、不動産が好きな私は、長男が通う大学がある小田急沿線の神奈川県寄りの駅に部屋を探すつもりでした。その予算内でできるだけ広くて新しい物件に住みたければ、当然都心ではなく郊外に住むと思っていたのです。ところが、世間知らずの長男は、自宅がある「中央線沿線がいい」と譲りません。彼の言い分は、小田急線のしかも郊外に行ったら、中学・高校の友達が遠くて遊びに来てくれない」というもの。大学進学のためのひとり暮らしなのに、言っている意味がわかりません。「ひとり暮らしさせる意味がないじゃないか、だったら、自宅から通え、金は出さん!」と散々ケンカしましたが、「住みたい場所にも住ませてもらえないのか」と逆ギレされるのもうっとうしくなって、「ちゃんと大学に通う」ことを約束して、彼が希望する街の不動産屋に出向きました。