女性が参加しやすい議会へ

1つ身近な例をあげると、浦安市の公的な施設内には今現在も、授乳室があまりありません。市は母親が外に出やすい環境をつくろうと様々な施策を打ち出していますが、対象となる母親は2時間から3時間ごとに授乳するわけです。にもかかわらず肝心の授乳室がないというのは、支援のあり方を机上で議論していたからでしょう。

幼稚園や保育園でママ友たちと交流していると、「そうはいっても授乳室が欲しいよね」という市役所には届いていなかった声を普段の会話の中で聞くことになります。それは実際に部屋そのものを作らなくても、まずは空いている会議室に張り紙を1枚貼ったり、簡単なパーテーションを置くだけでも対応できること。市議とはそれらの声を市政に届けるパイプ役であるわけですね。

だからこそ、今後、女性が参加しやすい議会をつくろうとしていくことは、女性進出の端境期に議員となった私に課せられた1つの役割だと思っています。出産が「事故」と言われるような場所に、若い女性が積極的に来ようと思うわけがありませんから。そしてなにより、私は街の具体的な変化に携われるこの仕事が好き。自分の役割を自覚しながら、さらに街を良くするために前へ進んでいきたいと思っています。

●手放せない仕事道具
抱っこひも。保育園が開園していない土日に式典やイベントに参加する際は、8カ月の子どもを背負って参加することも。料理など家事をするときも必需品。

●ストレス発散法
娘たちと遊ぶこと。一緒にお風呂に入って寝るまでの時間が至福のひととき。

●好きな言葉
If you haven't cried, your eyes can't be beautiful.(もしあなたがこれまで泣いたことがないとしたら、あなたの目は美しいはずがないわ)イタリアの女優、ソフィア・ローレンの言葉。

浦安市議会議員
岡野純子
(おかの・じゅんこ)
1978年、京都府生まれ。同志社大学文学部卒。NHK松山放送局に入社し、アナウンサーとしてニュースやリポートを担当。2011年、民主党公認で浦安市議会議員に初当選。2児の母。

稲泉 連=構成 向井 渉=撮影