若い頃は勉強に必死だった

職人さんたちはどの方も、長く大和ハウスの仕事を請け負ってきた知識もプライドもある人たちです。新人の私が何かの意見を言っても「おまえに話しても分からない」という雰囲気なのが当たり前でした。ただ、それでもこれが私の仕事なのですから、毎日現場に向かっていかなければならないし、彼らと話もしないといけない。

実際に工事が進んでいくと、お客様のイメージと異なる箇所が出てきたり、やり直しをお願いしたりすることもあります。私の指示では職人さんたちが動いてくれないようなときは、上司や先輩に助けてもらわなければならないことも多々ありました。

その意味ではお客様も不安だったと思います。工事に不安感を抱いているお客様は、質問をたくさんしてこられるものなんですね。これは今も全く同じですが、その一つひとつに明確に答えていくことで、お客様に信頼されていくことも現場監督の大切な役割です。だから、若い頃は本当に必死で勉強をして、「日下さんが言っているなら大丈夫だね」と言ってもらえるように努力をしました。

大和ハウス工業 横浜北支店 集合住宅工事課 日下淳子(くさか・じゅんこ)
1974年宮城県出身。97年東北工業大学 建築学科卒業後、大和団地(現・大和ハウス工業)入社 東北住宅営業所 住宅工事課に配属。2000年仙台木造住宅営業所 設計課。01年大和ハウス工業 仙台木造住宅営業所 設計課。その後、関東木造支店・技術本部などで分譲住宅や街づくりなどの設計に携わる。08年横浜北支店集合住宅工事課。11年からの育児休業を経て13年より現職。

稲泉 連=構成 向井 渉=撮影