グループを細分化して人間関係を整理

『女友だちの賞味期限』プレジデント社刊

LINEのグループ機能も使い勝手がいいようです。弊社に登録しているJKの1人当たりの平均グループ参加数は25前後です。これが多いのか少ないのか、一見分からないと思いますが、プライベートで20以上のグループに所属しているようなアクティブな方はなかなかいないと思います。これは、いまのJKがすごくアクティブというわけではなく、人間関係を整理するために「いつメン」「部活」「バイト先」などグループを細分化しているからです。たとえば「クラス全体」「クラス女子」「同じクラスの仲良し」と、参加者は一部被っているんですね。参加人数の少ないコアなグループでのつきあいが彼らにとっての「友情」にあたります。JKのLINEアカウント数は平均で2.2個です。友だちとのつきあいで使う「リアル」アカウント)と、趣味や一人つぶやき用の「裏」アカウント、のようにと使い方によってアカウントを使い分けたり、「高校用」「地元用」など、相手によってアカウントを使い分けたりしています。

スマホは「ゆるく」つながるためのツール

スマホで友情を「保存」できるようになったぶん、JKたちは友情を通じた思い出作りに躍起になっているかのようにも見えます。傍から見たら疲れないのかなと心配にもなりますが、彼女たちは疲れないためにマイペースを保つ術も身につけています。いつでもつながれるからこそ、オンラインでは自分がつながりたいときにつながって、言いたいことを投げる。見せたい要素を見せたいときに見せたい相手に見せている。大人から見れば、「スマホに依存した24時間つながっている窮屈な友情」に見えるかもしれませんが、スマホを通じて彼女たちはむしろ「ゆるく」つながれるようになりました。LINEやtwitterを通じて「元小(もとしょう、小学校が一緒)」「元中(もとちゅう、中学校が一緒)」等の過去のコミュニティとも、つながりたいときに簡単につながれるようにもなった結果、「地元での友情」を大事にするJKが増えている気がします。

中村泰子(なかむら・やすこ)
山口県出身。1986年、企画集団「スキャットクラブ・オブ・ジャパン」を設立、女子高生ビジネスのパイオニアとなる。88年、株式会社ブームプランニング(http://www.boom.co.jp/)を立ち上げ、現在全国約1万人の女子高生を中心としたマーケティングやセールスプロモーションを展開。未就学児から小・中・高生、大学生、OL、主婦にネットワークを広げ、さまざまな職種で企業の商品開発にかかわる。著書に『「ウチら」と「オソロ」の世代 東京・女子高生の素顔と行動』がある。

構成=プレジデント社書籍編集部