東京ばな奈の競合は、菓子土産なのか?

業界構造と価値競合を理解する

次に、東京ばな奈の競合について考えていきます。5Forcesは、既存の競合・新規参入・代替品・買い手・売り手の5つの力で業界を見る枠組みですが、本書では「選ばれる理由」を読み解くために、同じカテゴリーの競合(業界競合)と、同じ目的を別の手段で満たすもの(価値競合)の2つに絞って見ていきます。

競合として最初にイメージしやすいのは、「東京の代表的なお菓子ブランド」です。東京たまご、N.Y.キャラメルサンドなどは有名ですよね。一方で、先ほど触れたお土産に求めることとして「その場所で体験したことや発見を、誰かと共有する」ことがあるとしたら、比較対象は東京限定の雑貨、キャラクターグッズ、そして東京駅で撮った写真のSNS投稿などまで広がります。

東京ばな奈は、「東京土産菓子市場」の中だけで競争しているわけではないと捉えることができます(図表4)。

こう捉え直すと、東京ばな奈が限定商品やキャラクターとのコラボレーションに力を入れ続けている理由も見えてきます。競争相手は、ほかのお菓子だけではありません。「東京の思い出をどう持ち帰り、誰かと共有するか」という視点で考えると、キャラクターグッズや限定商品なども、選択肢に入ってきます。