「持ち家を貸せるか」という判断基準
そこで私は彼女に、マンションを貸せるか彼に尋ねるよう勧めた。
「いまお持ちのマンションを貸すことはできますか?」
私は、彼が持ち家に住み続ける以外の方法も考えられるか、彼女に確かめてほしかった。ただし、住宅ローンが残る家を自由に貸せるとは限らない。賃貸を検討するなら、所有者である彼が、借入先の金融機関に契約条件や必要な手続きを確認する必要がある。
貸せる場合でも、家賃でローンを返せるかどうかは別の問題だ。二人は、ローン残高や返済額だけでなく、見込める家賃や維持費なども確かめ、収支を検討する必要がある。
貸せる条件が整えば、二人は、その家を貸して通勤しやすい場所に新居を借りる方法も検討できる。彼女は、この質問への返事から、彼が住まいの問題を一緒に考えてくれるかも確かめられる。
残念ながら、この男性は今のマンションに住むことにこだわった。彼は地元への愛着が強かった。加えて、そのマンションを貸しても、家賃収入ではローン返済を賄えない事情があった。二人の希望は折り合わず、ご縁はつながらなかったのだ。
結婚後にどこで暮らし、どう働き、家事や育児をどう担いたいのか。住まいは、そうした二人の生活を支えるためのものだ。持ち家のある人は、自分が先に買ったマンションに、相手の仕事や暮らしを合わせてもらおうとしていないかに注意したほうがいい。
「自慢の赤いベンツ」に女性が抱いた不安
婚活で足かせになりうる資産は、マンションだけではない。
40代、実家暮らし、年収800万円の男性がいた。彼の宝物は、12年落ちの真っ赤なメルセデス・ベンツ「SLK」。2人乗りで、屋根を開けて走れる車だ。
彼は20代の頃から車が好きで、数年前、貯金をためて憧れのベンツを中古で購入した。当時は、実家に車を置く場所があった。
結婚後に住む場所が変われば、彼は車を置く場所も考えなければならない。車を持ち続けるなら、保険料や車検費用、ガソリン代なども引き続きかかる。故障すれば、修理費も必要になる。
彼と交際していた堅実な女性会員は、車の維持費を心配していた。
「車の維持費は、彼の年収でも払っていけるのでしょうか?」
彼が結婚後も無理なく車を維持できるかは、年収の数字だけでは判断できない。二人は住居費や生活費を見積もり、車の維持費も払えるかを考える必要がある。また、二人に子供が生まれれば、家族全員で2人乗りの車に乗ることはできない。「愛車命」の彼は、結婚後の暮らしに合わせて車を乗り換える気持ちがあるのだろうか。